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070. 橋のたもとで決心

by Kyrie

一度、町にもどったのに私は再び「女王の橋」を訪れていた。
一人になって、静かに決めたかった。

川の町に生まれたせいか、川のそばは落ち着く。


フランス人のマリは私を待たなくなったが、彼女は寄り道をするという。
カミーノは中世ヨーロッパから始まっていて、ルートはヨーロッパを網の目状に走っている。
なので、「自宅から歩き始めた」という人もいる。

私が歩いたのはナポレオン三世がフランスからスペインに攻め込むときに通った
ピレネー山脈越えのルート、「フランス人の道」。

マリが目指すのはアラゴンルートと呼ばれる道にあるアルベルゲ。
素晴らしいアルベルゲだ、という噂を聞いたらしい。
フランス人の道とアラゴンルートは、ここ、プエンテ・ラ・レイナで合流する。
そのアルベルゲに行くには、アラゴンルートを少し逆戻りすることになる。





このまま行けば、マリとは離れる。
しかし、そのアルベルゲ、どうなんだろう?
「また次の機会に」は考えにくい。

正しく進む道と好奇心が交差する。

私は逆走を始めた。



コウノトリの巣をよく見かけた。






Kyrie
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