LOG IN

095. 紙の花をお別れに

by Kyrie

スペイン人のホスピタレイロとつたない英語で話していた。
彼は言った。
「一緒にカミーノを歩こう。
僕は何度も歩いているよ」

本気とも冗談とも取れることば。

実は私は嵐の渦中にいて、そのことばをどう受け止めていいのかわからずにいた。
ことばも文化も国も、ありとあらゆる違いは大きく壁は高いのを身をもって知っていた。

私はただ、静かに「行きます」としか言えなかった。

彼はペーパーナプキンで花を作ってくれた。
端をライターで燃やしてカーネーションみたいに開く白い花。
私は自分のザックにそれをつけて歩き出した。

見送ってくれた人の中にフランス人のマリの姿もあった。







Kyrie
OTHER SNAPS