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044. 日本人の死と雨

by Kyrie

途中、やっぱり雨が降ってきた。
即座に道の脇にザックを下ろし、
レインジャケットとパンツを着用し、
カメラが濡れないようにジャケットの内側に隠す。


しばらくして雨は止む。
ぬかるんだ道を歩く。

私はフランス人の二十歳そこそこの女の子マリと話しながら歩いていた。
途中で出会い、人懐っこい彼女は訛りの強い英語で話しかけてきた。
寂しかった私は嬉しかった。

夢中で話していると、後ろから「ジャポネーゼーーーーー!!」と叫ぶ声が聞こえてきた。
フランス人のおばさまたちだ。


最初、気づかずにどんどん歩いていたので、すごく怒られた。
彼女たちは私に「巡礼中に亡くなった日本人のモニュメント」を教えた。

「ある」というのは聞いていた。
しかし、情報を持たずに行ったのでどこにあるのかは知らなかった。
確か20代の男性だったと思う。
私はモニュメントの前で手を合わせながら、
彼や彼の家族はどんな思いをしたんだろうか、と考えてみた。

しかし、考えただけで想像もできなかった。

とにかく私は「安全」と「健康」を最優先にし、
自分の無事を日本の家族や友人に知らせることに努めようと思った。





Kyrie
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